言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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読書

『こどものスモールトラウマのためにできること』スッダ・クドゥバ著/穂積由利子訳

長女に続いて不登校になってしまった次女の心を理解するために大変良い内容に思えたのでメモします。 天真爛漫で聞き分けの良い子供でも、いつの間にかコミュニケーションが難しくなってしまう事があります。大人の言うことを聞かなくなり、思っている事を表…

The Autobiography of Jean-Luc Picard

邦訳は 『自叙伝 ジャン=リュック・ピカード』。 新スタートレックの主人公で USS エンタープライズ号のピカード艦長による自叙伝です。阿部さんの「フランスのワイン農園出身のピカードが紅茶というのは、なんかイメージがつながらないんですよね。」という…

1984

有名な小説なのでタイトルだけは知ってました。つい最近読んだので感想を残します。 1984 に影響を受けた様々な SF を読んだ事があるからか冒頭の「ビッグ・ブラザー」による監視社会の描写はちょっと退屈になってしまいましたが、うだつの上がらないインテ…

How to Avoid a Climate Disaster: The Solutions We Have and the Breakthroughs We Need

ビル・ゲイツによる、地球温暖化対策についての本です。邦訳も夏頃に出るらしい。教科書のように整理してまとまっているので、現状と今後を知るのに便利です。特に大切と思われる項目をメモします。 現在世界中で人類は 510 億トンのグリーンハウスガス(温室…

The Dispossessed / 邦訳『所有せざる人々』 Ursula K. Le Guin

お互いを月とする二つの惑星 Anaress と Urras では対称的な二つの社会が発展していた。 過酷な環境の Anaress では、限られた資源の中で生き残るために何かを所有する事が禁じられていた。Anaress には貧富の差が無く人は財産を築かず平等に暮らしていた。…

The Tyranny of Merit

機知に富んだ問答で有名なマイケル・サンデル教授が、現在のアメリカの分断について語る滅茶苦茶面白い本です。多くのアメリカが大統領選挙結果をインチキだと思っているというのは極端な例だけど、日本でも分断は他人事ではありません。こういう分断がどこ…

税とオンライン広告とラッファー曲線

最近またマンキューの教科書を読んでいます。ミクロ編の Principles of Microeconomics isbn:0538453044 で税金についてなかなか面白い事が書いてあるのでメモします。まず需要供給曲線について復習。需要供給曲線というのは、生産者と消費者がそれぞれ自分…

論理とギリシャ語順のトリビア

伝統的に、ギリシャ三段論法はこんな風に書きます。 大前提: 全ての人間は死にます。(全ての B は A) 小前提: ソクラテスは人間です。(全ての C は B) 結論: ソクラテスは死にます。(全ての C は A) なんか違和感ありませんか?なんか順番がちぐはぐですね。…

Logic Machines and Diagrams isbn:0226282449 全体的感想

素晴らしい本すぎてどこから書いていいやら分からない!とりあえずメモ論理機械の歴史概観 前4C: アリストテレスの論理学。次の四つの型を組み合わせる。 A : all S is P (universal affirmative) E : no S is P (universal negative) I : some S is P (part…

Logic Machines and Diagrams isbn:0226282449 8章

前の方は技術的な話で詰まってしまったので、簡単な後ろの章を先に読む事にした。8章は電気式の論理機械について。私が購入した 1982 年の版では大幅に書き換えられているが、最初に出版された 1958 年の版では、著者がコンピュータを論理演算に使うのは非現…

ザ・エンジン / ラピュタの島の考える機械 (Logic Machines and Diagrams)

「... ...普通のやり方では芸術や科学を達成するのにどれだけの苦労が要るか誰でも知っておるじゃろう。しかし彼の仕掛けを使えば、全く天才や秀才の力を借りずとも、最も無学な者が、そこそこの値段と少しの肉体労働だけで、哲学、詩、政治、法律、数学、神…