自分の子供の状況に一番ハマる本だったのでまとめます。

対人関係療法とは、トラウマそのものに焦点を当てるのではなく、トラウマの影響を受けた現在の対人関係に焦点をあてて、現在の生活の質を上げるものです(p13)。うつ病の治療にはすでに効果が確立されていて、PTSD への適用も研究中だそうです。うちの子のようにトラウマが怖くてエクスポージャーが使えない患者への選択肢として注目されています。

トラウマ治療に対人関係療法にどう働くかを頑張って図示してみました。まず、1) 平和に日々の生活に突然 2) ショックな事が起こります。もしもショックが軽ければ気分転換をしてみたり、くよくよ悩んでみたり、寝るといった 3) いつものやり方で自然に立ち直る事ができます。しかし、ショックがあまりにも多いと 4) トラウマとなり、ショックからなかなか立ち直れなくなるのです。
同じショックを受けても人によってトラウマになる人とならない人がいます。トラウマになる最大の要因が、実は身近な人の支えらしいです。親としては申し訳ない話ですが、ショックに付随して不規則なルールに遭遇したり、突然叱られたり、何かが急に決まったりすると、裏切られた思いや自責の念に囚われ、今まで立っていた場所が突然の地割れによって無くなったかのような大きな不安と孤独感に襲われ、トラウマになってしまいます。ここには、もともとの性格要因は低いです。
トラウマになると、様々な PTSD 症状が現れます。周囲にはそれが不安、怒り、集中困難、警戒、驚愕といった形になります。これは一種の生体防御として働き、トラウマからの回復には必要なものです。ただ、一年以上 PTSD 症状から自然回復しないと治療が必要になります。
対人関係療法では、この PTSD 症状の発症には身近な人の支えが大きく関係するという部分に着目し、一旦失った地面に 5) 安全な道を作る事でトラウマそのものに焦点を当てずに治療を行います。

具体的には、悲哀、役割不一致、役割変化、対人関係の欠如という四つの問題領域を対象に治療を行います。ここではうちの子に一番当てはまりそうな 3) 役割変化についてメモします。
役割変化とは、ショックに付随して友人関係や学校関係などの人間関係の変化があるケースです。これは突然の変化に不安で対応できない事の現れなので、治療としては日常の習慣を続けたり小さな事でも自分で選ぶといった事の積み重ねで少しずつ自分の現在位置を取り戻す事を試みます。また、「こんなに不安なのは、新しいことをしようとしているからなだ」とトラウマ症状を肯定する事で、新たな役割への適応のプロセスを進めます。
ちょっとこの本だけでは具体的な治療法がよく分からなかったので著者の他の本も購入しました。面白い事がわかったらまた書きます。