恵まれた生い立ちで高校時代の課外活動が評価されハーバード大学に入学して(p341)研究者になった著者が努力について語るという悪趣味な本。と皮肉っぽく始めてしまったが Chat GPT に勧められて読み進むと案外学びがあったのでメモ。
短く言うと、成功するには才能ではなく努力が必要で、努力できると人生幸せになれるという話。その人が努力の人かどうかは「グリッド・スケール」(p93) というアンケートによって計測できる。
ただし、世の中には成功には努力よりも才能が必要だと思う人の方が多い、なぜなら - 「天賦の才を持つ人」を神格化してしまったほうがラクなのだ。そうすれば、やすやすと現状に甘んじていられる。(p74)
「意図的な練習」によって能力を高める事ができる。(p190)
- ある一点に的を絞って、ストレッチ目標〔高めの目標〕を設定する。
- しっかりと集中して、努力を惜しまずに、ストレッチ目標の達成を目指す。
- 改善すべき点がわかったあとは、うまくできるまで何度でも繰り返し練習する。
犬に電気ショックを与え続けるような「苦痛を回避できないと思うこと」(p251) を続けると「学習性無力感」にハマって努力ができなくなる。
逆に、適度に難しい課題を与える事によって勤勉さを身につける事ができる「学習性勤勉性」(p347)
認知行動療法は、患者がより客観的に考え、健康的な行動を取れるように導くことで、うつ病などの精神疾患の治療を目的としている。子どものときに非常につらい経験をしても、多くの場合は認知行動療法によって、自分の心のネガティブなつぶやきを観察することを覚え、不適応な行動を変えられるようになる。(p257)
という事で、どうやら私が求めているものは「認知行動療法」であるらしい事がわかった。この言葉は聞いた事があったのだが、難しそうなので流していた。もしも辛い過去によって我慢できなくなった子供の回復に役立つなら是非勉強したい。このキーワードが知れただけでも読んでよかった。
ちなみに、努力については 実力も運のうち という本がずっと面白く納得できた。