言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

次女の不登校

11月に入ってから、今度は次女も不登校になってしまった。長女にはマイクラ友達を探したり色々ケアしてきたつもりだが、次女の事はノーマークだったのでショックだ。経緯を思い出して書く。

いつの頃からか次女は髪の毛を自分で抜くようになった。一時はカーペットが髪の毛だらけになるほどひどく、8月の末には次女も精神科で検査をしてもらった。ただこれと言って何の治療の提案もなく、ただ日が過ぎるだけだった。

10月には誕生日が近いお友達を呼んで家で合同誕生日を行ったり、ハロウィーン大会を行ったり、それなりに楽しく過ごしていたが、だんだん通学を嫌がるようになった。そこで妻と交代で教室まで送るようになった。当時私は無職だったので、朝の散歩としてちょうど良いし次女の交友関係も分かるので次女との通学は楽しいなと思っていたのだが、あまりにも次女が友達とベタベタするのが気掛かりだった。担任の先生とお話しする機会があり、その際に次女が最近教室で無反応な事が多いと伝えられた。

11月の中旬から、仕事の関係で僕は朝早く家を出る毎日になった。初めの数日は家を出る前にお茶を沸かしたり朝ご飯の準備をして次女が確実に起きれるように頑張ったが、そのうちだんだん次女は教室に入れなくなり、妻が付き添って教室の外から授業を受けていたがそのうち学校に行けなくなった。そして今に至る。

その時々で小さな不登校の原因らしき物はいくつかあったのだが、足の怪我というわかりやすいきっかけがあった長女とは違い、次女の場合本当のところはよく分からない。多分学校という所は案外沢山の細かい条件をクリアした子供が行ける所であって、たまたま次女にその条件が当てはまらないのだろうなと思う。学校に行かない以外は放課後にお友達が来て遊んでいるし、特に普段と変わりない。お勉強は妻が見ている。あと、いつの間にか抜髪は無くなった。

一方で頻尿のために勉強もできなくなった長女にはマイクラ関連でいくつか環境の変化があった。10月頃から知らない人とネットワークを使ったマイクラを始め、急に世界が広がったのだが、ネットリテラシーが皆無なので大人の管理下でマイクラができるオンラインフリースクールに入った。色々あって少人数で完全に先生が面倒を見てくれる F 社と、大人数の子供達が勝手に遊ぶ B 社という対照的な二つの会に同時に入る事になった。

当初長女のレベルでは自分で遊び相手を探さなくては行けない大人数の B 社は無理だろうと思っていたが、ネット上では物おじせずグイグイ行くタイプである事が分かった。最初は上級生のワールドにお邪魔するだけだったがすぐに自分のワールドに招待するようになり、どこかで拾って来た人狼(?)とかアスレチックを提供して喜んでいる。そのうち B 社の Discord サーバとそっくりなサーバを自前で建てて勝手にメンバを招待し、B 社のサーバに行かなくなってしまった。自分で技術的な事を学んでゆき微笑ましい反面、感情的にはまだまだ小学校低学年なので危うく、喧嘩や荒らしを確認するため毎日長女の Discord をチェックするのがなかなか疲れる。

今日の長女は他の小学生が Discord に設置したひろゆき Bot と延々何時間も話をしていた。危ない。危ない。

子供が全員不登校になり落ち込んでいるが、マイクラの深淵な世界に触れられたのは有難い。マイクラの世界で繰り広げられる小学生達の栄枯盛衰には時に胸が熱くなる事がある。多分詳しく書かない方がよいと思うが、とあるオープンチャットで生まれ、Discord で広がり、美しい街並み、巧妙な自動機械、親切な地下通路、仲間と協力して作り出す巨大建築、そう言った素晴らしい物語が、仲違いや勘違いによって争いを生み、荒らしの応報が始まり、文字通り世界が炎上し、電子の藻屑となり、元のチャットルームごと消えてゆく。もうどこからもアクセスできず、参加者の記憶にしか存在しない素晴らしい世界が日々沢山作られて消えてゆくのだろうと想像するとなかなかグッと来る物がある。

学校に行けないうちの子供達にも、せめてそういう世界に沢山触れられますように、あとできたら現実世界でできるだけ傷つきませんように。