言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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「学力」の経済学 中室牧子著

「勉強させるためのご褒美は良いか」「子供を褒めて育てるべきか」「ゲームは子供に悪いか」などの質問に実験結果のデータで答えるという面白い本でした。下に面白かった項目をメモります。この本の出版は 2015 年ですが、もしかしたらすでに内容は古いかもしれません。

例えばこの本では自制心の研究で有名なマニュマロ実験(4歳の時にマシュマロを我慢できた子供は将来成功する)が紹介されているのですが、その後結果は否定されたそうです(マシュマロ実験)

  • ご褒美で釣っても良い。
  • どちらのご褒美が良いか?
    • 本を読んだ -> 良い
    • テストで良い点をとった -> 悪い
    • ご褒美はインプットに対して与えるべき。
  • ご褒美でインセンティブが減るケースもある。
    • 例: 献血にお金を払うと献血する人が減った。
    • 例: 高校生の募金活動に集めた金額に応じた謝礼を設定すると募金額が減った。
  • 褒め育てをしてはならない。
    • 自尊心は結果なので自尊心を高めても結果につながらない。
  • どちらの褒め方が良いか?
    • よく頑張ったね -> 良い
    • 頭がいいね -> 悪い
    • 頭を褒めると、結果が良くても悪くても挑戦しなくなる。
  • ゲームをしても暴力的にならない。
    • ゲームをやめても勉強時間は増えない。
  • 勉強しなさいと言っても無駄。
  • 同性の親が勉強を見てあげるのが一番効果が高い。
  • 習熟度別学級は効果が高い。
  • 少人数学級の効果は低い。
  • 年齢が若いほど教育への投資効果が高い。
  • IQ で計測される認知能力は長期的な影響が小さい。
  • 非認知能力の長期的な影響は大きい。
    • 自制心
    • やり抜く力
  • 非認知能力は躾で高める事ができる。
  • 全国学力・学習状況調査の結果は、都道府県別の教育の成果の指標にはならない。
    • 家庭資源の順位を表しているに過ぎない。
  • 教員研修に効果はない。