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とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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マンキュー経済学 Brief Principles of Macroeconomics

よくニュースなんかに、デフレとか不況とかいう単語がよく出るじゃないですか。恥ずかしながらこの Brief Principles of Macroeconomics isbn:0324590377 という Kindle の本を読むまで(まだ途中ですけど)意味が全く分かっていませんでした。遠い昔にデフレという言葉の意味を教えてもらった記憶はあるけど、それがなぜ不況と結びつくのか分からない。ものの値段が下がったら嬉しいじゃないですか。なぜそれでみんな困るの???

(答えを簡単に言うと、ものの値段が下がる事自体が問題なんじゃなくて、周りにあわせて素直に下がってくれない物、特に給料、があるために社会全体の効率が落ちる事が問題なのだそうです。この話はまた後で書きたいと思います。)

私は今まで経済学という言葉を誤解していました。経済というのはビジネスと同じような意味だと思っていたんだけど全然違う。だってエコノミックアニマルというと、あたかも金の亡者のような印象があるではないですか。実際の経済学はどっちかというと熱力学のような物で、一人一人がばらばらに好き勝手動いている時に全体がどう動くのか予想する学問で、金儲けは関係ないです。

私は努力や根性が役にたたない個人のレベルを超えた社会がどう動くかという話が好きで、アシモフの SF 小説『ファウンデーション』(ヒーローが一人も登場せずに淡々と人々が運命に翻弄される話)なんかもろ直球なのですが、もしかしてこの経済学というのはかなり私が昔から知りたかったジャンルにだったかも!と新たな発見でした。

それにしても悔やまれるのは中学生の頃にこれに気づかなかった事です。このよく出る需要と供給のグラフを習った記憶があるのですが、教師が共産主義者だったからか、経済の面白さに全く触れない退屈な授業でした(高校では選択だったので習ってない)。

という事で、この Brief Principles of Macroeconomics は新聞を読んでも意味が分からない私のような人にお勧めです。英語も簡単なので英語版の方が良いと思います。というのも日本語では『マンキュー経済学〈2〉マクロ編』isbn:4492313532 にだいたい対応するのですが、ちょっと立ち読みしてあまりの難解さにびっくりしました。英語版はハリーポッターよりも簡単です。本来高校生から大学一年生向けの本で、語りもやさしい感じなのですが、この英語がどうやってこの滅茶苦茶偉そうな文体になるのか理解できん。

この本は Principles of Economics という大きな本の抜粋なのですが、本来 100 ドル以上するところを抜粋版という事で 20 ドル程度で買えます。めっちゃお特です。この辺もお勧めの理由です。

ところで、この本に限らず経済学の教科書と言われる本の実物をアメリカの本屋で見た事が一度も無いです。Economics と書いてある本棚にはビジネスで成功する系か、ちょっとましな所でもマルクスやアダムスミスなんかの古典くらい。私が知らなかったのも無理ないです。