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とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

近況。ロープについてまた調べたり。

最近週末にマラソンの練習をしているせいか、工作はまったくはかどらない。それでも少しずつ実験用のパーツを作りながらロープを主体とした機構を色々考えている。ロープの研究はずーっと昔からやりたかった事なので、焦らずじっくりやろうと思う。

ロープや結び目について調べるのは思ったより大変な事が分かった。一般的な「ロープ学」という物があるわけじゃなくて、だいたい四つくらい全然関係しないジャンルに分かれている。

  • 工学系: 建築、船舶、登山、釣り
  • 工芸系: 手芸に使われる結び目。編み物。
  • 人文学: 綱の呪術的な意味と伝承。神道。文字としての結び目。Caltic Knot。
  • 数学: Knot theory

しかもこの中でロープと結び自体を中心テーマにしているのは数学だけで、他のジャンルではオマケ的な存在だ。例えば最近、帆船に使われるロープについて特に興味を持っているんだけど(船は特に工学と工芸を直接結びつける大変重要なジャンルだと思っている)、だいたいそう言う本では船の全体像はじゃーんと写真や図解があるのに、使われているロープや結びについては小さくしか触れられない。

何をやりたいかというと、最初は暇つぶしに作っている自動演奏機械の機構に使いたい。ロープは機能性と審美性を兼ね備えた最適な素材だ。特に最近台所のすぐ横で作業しているので、あまり金属部品を使いたく無い事もある。それから性質が分かって来たらまた計算機械に戻ろうと思う。計算機械の具体的なアイデアは無いけど、何となくラムダ計算に使えないだろうかと思っている。

というのは、例えばラムダ計算では λx.λy.x と λa.λb.a は同じ意味だけど、これは同じ名前の変数と変数を結ぶ紐をトポロジー的に考えて同じ形だと言える。そうすると、一つ一つのラムダ式が結び目を形作っていて、あやとりのようにトポロジーを保存しつつ結び目を解く事で簡約を行えるという事になる。多分こういうのは散々やられているだろうけど、実際手で触れながら自分ので機械的に操作したい。

まあ、そんな近況です。