言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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アンプラグド

今回のワークショップのもう一つの一つ楽しみは、江渡さん http://www.eto.com/ のワークショップを拝見する事だった。彼は、コンピュータの専門家なのにも関わらず、今回まったくコンピュータを使わない「ヒューマンインタフェース・アンプラグド」と題されたワークショップを行ったのだ。詳細は学生さんが書いている。http://www.2202.org/blog/108

ドローイング、写真などを使って普段見慣れた景色を変質した空間に変えてゆく。特に関心したのが時間に関するアドバイスと、十分に合評の時間をとり、学生同士の議論を重視しているという点だった。

時間に関する話で、ふと学生時代に石を彫っていて小清水漸に言われた言葉を思い出す。いろんな所で引用したが、日記には書いてないので書く。石は硬いので、彫っていてもなかなか形にならない。だから彫刻家はコツを知っている。彫刻家の石は彫る前から彫刻で、彫っている間も彫刻で、完成したらもちろん彫刻だ。逆に言うと、彫っている間に彫刻にならないような彫り方をするべきではない。

その心を短く言うと、限られた時間は言い訳にならないという事だろうし、人生の時間そのものが限られていて、且つ予想不可能と見る事も出来るだろう。時間の扱い方はこんな短いワークショップでも非常に大切だ。

合評については、彼がコラボレーションを重視する姿勢が非常に良く現れていたと思う。一人ひとりに十分な時間をとり、制作時間に匹敵するほどの比重が置かれている。こういう体験は学生の記憶に強く残り、非常に貴重な経験になるだろう。合評じゅーよー。