双子は生後11ヶ月になった。
義母は次女の歩く所を見た！と言ってたが、実際はよろめいた程度なのだろう。二人とも床から自力で立ち上がる事までは出来るが、歩くのはもうちょっと先になりそう。目立った成長としては、おもちゃのラッパを吹く事ができるようになった。
お盆には近場の掬水亭という温泉旅館に行った。初めての家族旅行だ。気分転換になって良かったが、レストランで食事を取るのが無茶苦茶大変だった。子供用の椅子を用意してもらってベルトで固定しつつ、大人が食事しながら子供に離乳食をあげるのだが、ベルトを嫌がって抱っこが必要になり、片手で抱っこしながら片手で食事を取るという状態になってしまう。これが二人分。最終的には、夫婦交代ばんこに食事に行くという事になってしまった。家族一緒に優雅に外食するという夢は儚く潰えた。
双子には出来るだけ平等に接するようにしているが、性格が違うのできっちり平等にというのは出来ない。どうしても泣いてしまう方を先に何とかしてしまう。どっちかというと、長女がおっとり型でマイペース。次女が繊細で甘えん坊なので、つい抱っこも次女の方が多くなってしまいがちで、僕が次女をあやしているのを長女がニコニコ見ているという風になってしまう。ところが今日は長女の我慢が限界に達したのか、ずっと抱っこをねだり、抱っこをやめようとすると泣き止まなくなってしまった。
ずっと家で抱っこをしていても退屈なので、そのまま散歩に行くことにした。僕は住宅地の中をあてどもなくさまようのが好きだ。今日のコースにも、変な改造車が置いてあったり、窓を覗くとおじさんがミシンを使っている家等があって飽きなかった。赤ん坊を抱っこしていることで、不信感をいだかれること無く住宅地をさまよう事が出来るので大変便利だ。あちこちの看板を読みながら、ふむふむ、こんなに年季の入ったアパートでもインターネットは無料なのか。と色々な事に感心しながら歩ける。気が付くと長女がすごいのけぞるような姿勢で寝ていた。ポツポツ雨が降りだしたので大急ぎで家に駆けたのだが、それでも寝ていた。
そういう感じの週末だった。
