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とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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かわいい熊がクマさんになるか?

野生のクマをなんとか助けたいと考える皆さんへ http://d.hatena.ne.jp/Asay/20101024/1287927819 を読んで、似た話がドーキンスの The Greatest Show on Earth 「進化の存在証明」にもあったのでメモ。

犬の祖先については昔から議論があって、特にオオカミ説とジャッカル説、もしくは両方という説がありました。しかし本当の事がはっきりしたのは分子生物学が出来たやっと最近の事で、どうも全ての犬の祖先はオオカミだそうです(正確に言うと、犬とオオカミは共通の祖先を持つ、となります)。

あの獰猛で恐ろしいオオカミがどうしてかわいく従順なわんちゃんになってしまったのか今となっては知る由もないですが、おそらく現代のようにペットとして飼われる以前から、世界で同時発生的にオオカミの犬化は進行していたようです。

一説によると、たまたまオオカミと人間の生活圏が重なる事があった。普通はお互い敵対関係になるが、オオカミの中でも好奇心の強い奴が人間の残飯の味を覚え、人間の中でも物好きがオオカミに餌付けをし始めたらしい。オオカミは比較的安定して餌にありつけるようになるのでだんだん人懐っこいオオカミが増えて行き、そのうち元のオオカミとは違う種になってしまった。という事らしいです。

犬に限らずブタでも牛でもニワトリでも、こういう動物に野生というのはありません、人間の家畜として進化してしまったので、もう人間無しの生活には戻れないです。こういう動物の進化の過程が、最近の研究で分かって来たらしいです。動物に限らず、形の変化という意味ではトウモロコシやキャベツなど農作物の進化はもっと衝撃的で、原生種とは全然違う形をしています。

で、野生のクマを助けるべきかどうか、私には良くわかりませんが、助けて餌付けをするシナリオというのも中々面白いです。

24世紀のとある家庭。家に帰るとフカフカのクマさんがいます。お腹に乗るとモフモフして、ペロペロほっぺたを舐めてくれます。クマ専用人工ハチミツしか食べないので人間が食べられる恐れはありません。ツメは退化して肉球だけで、歯もありません。おしっこはトイレでしますが、一日一回散歩につれて行かないと悲しい顔をします。田舎では外で飼う人もいますが、可哀想なので家族の一員として屋内クマさんにするのが最近の流行です。

そういう未来もあるかも。