言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

本祭りに行って地球へを読んでジャッキーチェーンの映画を観た。

ロサンゼルスはもう夏だ。滅茶苦茶暑い。でも頑張って、キムさんお勧めの Los Angeles Times Festival of Books のために UCLA まで歩いた。下鴨納涼古本まつりのような物を想像していたのだが、似ているのは暑い事だけだった。UCLA 全域を使って出版社や学校なんかの団体がテントを張って、色々宣伝する会で、大勢の家族連れが意味不明に楽しんでいたようだが、私はあまりの暑さに屋内に逃げ込んでしまった。

まず Fowler Museum というのに行った。これは民博にあるようなアフリカのお面を沢山展示してある博物館で、無料だった。もっと早く知っておけば良かった!凄く面白かった。それから Powwll Library で英語版の『地球へ...』を読みふけっていたが寒いのですぐ出て、Engineering and Mathematical Sciences Library で Think Forth を読んだ。

『地球へ...』は私が中学生の頃滅茶苦茶影響を受けた作品だ。アニメはちゃんと観てなくて、ノベライズ版を愛読していた。どういう話かと言うと、未来の管理社会で、なぜか突然変異のエスパー能力を持った子供が生まれてくる。多くの場合、エスパー能力は身体障害の補償として発現されるわけだが、社会は溶け込めない彼らを抹殺しようとする。しかし実は社会を設計した太古の先祖が、将来予期せざる状況に柔軟に対処するために、あらかじめ割合で劣った子供が生まれるようにプログラムしていたのだ!という話。

これを読んだ当時多分私も14歳くらいで、ああ、これはきっと私の事だ。きっと地下の奥深く私を受け入れてくれる人々が居るに違いない!と単純に思い込んだのでした。前にも書いたけど、中学くらいから運動が苦手になって、得意なマイコンと漫画は恥ずかしい趣味だと思ってひた隠しにしていたし http://d.hatena.ne.jp/propella/20060812/p2 、クラスでは三人くらいしか喋る友達が居ないし、とにかく劣等感の塊だった。だから『地球へ...』を読み、こんなに自分が劣っているのは、別の能力がある代償なのだ!という希望を持つ事が出来たわけ。

ただ、すごい能力があったとしても、お話の中ではそれが発揮されるのは地球規模のピンチが訪れる時だけなので、普段劣等生な事には変わりが無く、せめて明日大地震でも起こって日本が沈むような凄い事にならないかなあと願うくらいしか出来ない。実は大地震が起こったり地下に隠れなくても広い社会に出れば生きていける場所があると納得出来たのはフリーターを辞めた27歳くらいの頃で、それまではずっと世の中には優れた人間と劣った人間がいるという考えから離れる事が出来なかったなあ。。。と色んな事を考えながら漫画を読んだ。

それから映画館で、Forbidden kingdom を観た。ボストンのカンフーオタク少年が突然古代中国で大冒険をするという話で、ロールプレイングゲームのような筋書きもヒロインがかわいい所もジャッキチェーンが痛そうな所も戦隊物に出てきそうな悪役も、全部ベタで良かった。