言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

夏のグレンデールの沈まない夕陽

最近眠い。時差ぼけはとっくに直っているはずなんだが、頭にずっと霧がかかったような冴えない日が続く。昨日大島さんご夫妻にご馳走になってゴーヤハンバーグとワインを補給し、だいぶ気力は回復したのだが。やっぱこの日差しが問題か。毎日色んな話を聞くのに脳がついて行けなくてブレーキがかかる。グレンデールの太陽はいつまでも落ちなくて、眠い目にはとても眩しい。

明日はボストンで開かれる wikimania のために飛行機に乗らなくてはならない。正式な発表ではないけど、大島さんとライトニングトークで WysiWiki の話をする - こないだググったら WysyWiki が一般名詞のように使われているみたいなので、TinLizzie WysiWiki と言ったほうが良いのか?しかし TinLizzieh も創るべき未来の為の名前なので相応しくないように思える - とにかく、wiki のような物を発表する。

WysiWiki とは、技術だけを端的に言うと OpenDocument + WebDAV + α だ。プラスアルファの部分は今後大きく変わると思うけど、OpenDocumentWebDAV は堅いだろう。というのもプラスアルファの部分に注力する為に、他は標準を採用したんだから。といっても、みんなが見てないうちにそっと実装したのが実情。地味な部品なので勝手な事をしても何も言われなかった。アンドレアスも、最初はまだ考えなくて良いと面倒そうに言ってた。

ハロやタイルを変えるなんて言うと、すごい議論が巻き起こって前に進めなくなるのに、こういう地味な実装は勝手が出来て良い。あと良かった事は、みんなが OpenDocument を大切な機能のように思い始めてくれた事だ。その意味で、とりあえず実装してみるというのは大切だ。実装してみると、最初は考えても見なかった意味を全然違う方向から考える人が現れる。

WysiWiki と一言で言うけど、構造で見ると TinLizzie WysiWiki は普通の Wiki とかなり違う。普通の Wiki はサーバーで動く物だ。しかし、WysiWiki はクライアントで動く。サーバーは単なる履歴つき外部ファイルシステムだ。これは意識的な物で、どうせクライアント側に注力するならクライアントだけで動くべきだと考えたからだ。でも検索機能の実装の事などを考えると、いつまでも純潔なままではいられないだろう。

疲れているので技術的な事ばかり書いた。技術的な事を書くのは単語を並べるだけなので頭を使わなくて良い。でも本当に大事なのは技術じゃなくて利用だ。と、江渡さんに前言われた。正論じゃ。我々は WysiWiki を毎日使っている。だから、いかにこのシステムがしょぼいか良く分かっている。しかし、しょぼいなりにも、少しずつだけど、ザ・デモに近づいているのを感じている。昨日はカーソルが動いた。今日は保存が出来た。喜多さんに議論システムのアイデアを頂いたのはもう一年以上前の事だ。言われたことの二割くらいは出来ていると思う。驚くなかれ、もの作りはかくの如し果てしない時間がかかる。

紆余曲折を経ながらも、こういった刺激的なプロジェクトに参加し続けていられる事は非常に嬉しい。一方で、周りのすごい人達について行けない歯がゆさもすごく感じている。私は経歴が変なので、あまり理論的な成果を期待されていないとは思うんだけど、少なくとも話にはついて行って、たまにはナイスなジョークで切り返す事くらいは出来ないと寂しいな。でも、眠い。