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とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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自転車

こないだ四歳の双子は生まれて初めて小金井公園のレンタル自転車に乗った。最初の二時間がなかなか興味深い学習体験だったので記録する。

選んだ自転車は 16 インチのコマ付き。小金井公園には幼児用に一週数十メートルの小さなコースがあるのでそこで練習出来る。

ふたりとも最初はペダルを回すという事すら出来ない。三輪車すら乗ったことが無く、足をグルグル回す動きをやった事が無いのでどのように力を入れれば回転になるのか要領が分からないらしい。こちらとしてもまさかペダルすら回せないとは思ってなかったので途方に暮れてしまった。

私の手を子供の足に添えて動かしてみるが、全く動かそうという気配が無い。また、ハンドル操作も出来ないのでペダルは諦めてハンドル操作をまず教える事にした。自分の手で自転車の後ろを押して前に進めつつ、コースから外れそうになるとハンドルを助けてやるのをしばらく続ける。ハンドル操作は比較的簡単で、コースを数周回るうちに何とかなって来た。

ただペダル操作はやはり難しい。コースは微妙に上り下りがあり、下りが続く区間では何となく足を回せるようになるが、上りだと全く諦めてしまって私だけが自転車を押している状態になってしまう。そのうち自転車を押すこちらの腰も痛くなってきて嫌になる。ふと、妻を見ると、自転車では無く子供の背中を押していた!なるほど、子供の背中を押せば屈む必要も無く腰が楽だ。これは新しい発見だ!!

さて、このあたりで最初の一時間くらい経過した。長女は少しずつペダルを漕ぐのが楽しくなって来たようだが、ペダルが死点の位置、すなわち足が軸の上下にある位置で自転車が止まってしまうと重くて自分では動かせない。そういう場合は足をちょっと戻して横にすると力をかけやすいよーと教えてやってもなかなか上手く行かない。最初は根気よく毎回止まるたびにちょっとペダルをずらすのを指導していたが、そのうち私も面倒臭くなって止まると何も教えず押すだけという風になってしまった。

ところが、最初の一時間半くらいで長女は自然と死点を回避してペダルを押すようになった。そして二時間くらいになると全く止まらずにコースを回れるようになり、だんだんと私が歩いて追いかけるのも大変になって来た。この間特に何を教えるという風でもなく、単に止まったら背中に手を添えてペダルの回し始めを補助してやるというのを延々繰り返しただけだが、自然と力の入れ具合を身に付けたようだ。

というわけで、人間は二時間もあれば全くペダルを回せない状態から歩くより速くコマ付き自転車を漕げるようになるという事が分かった。たった二時間で目に見えてスキルアップ出来る能力はあまりないので面白かった。

ちなみに、四歳で初めて自転車に乗るというのはかなり遅いようだ。かなり以前からストライダーが欲しいと思っていたが、幼い双子を同時にストライダーに乗せて監視出来る自信が無く躊躇していた。ようやく最近決心が付いて自転車屋で尋ねると、ストライダーというのは二歳から三歳くらいの子供が乗る物で、四歳は普通の自転車で良いですよと言われてしまった。とはいえ、コマ付きを買っても自宅の周りで練習出来る所が無いので、コマが取れるまでレンタル自転車で練習すると割り切る事にした。子供に自宅で安全に自転車で遊べる環境を与えてやれなくて申し訳ない。