もうかれこれ 8年くらい作っている木製半加算器の最新版です。来週 12 月 19 日より開催の京都アートスペース虹の最終展「非在の庭 最終章」に展示します。
始めたときは最初から半加算器ばかり作る計画は無く、さっさとこなしてもっとすごい本物のコンピュータを作る予定だったのですが、なかなか満足の行く機構を発明出来なかったのと、日常生活があまりにも大変で遅々として進んでおりません。ただ、基本機構については最初のバージョン id:propella:20081124:p1 と比較して画期的に効率的で信頼性の高いものになっております。亀の歩みですが、往生際悪く頑張っております。
昨今では意外と隠れたブームなのか Youtube で検索すると物理的に制作された計算器をいくつも見つけることが出来ますが、一週間以上の展覧会に耐えられるメンテナンスフリーな機構というのはそんなに簡単では無いです。そんな木製半加算器の制作過程をメモします。
まず、パーツの形をイラストレータで描いて業者のレーザカッター加工に発注します。だいたい A3 サイズで 5000 円くらいです。家でノコを使えない人にとっては非常にありがたいサービスです。
組み立てにはネジや木工ボンドを使います。木工用ボンドは水に溶けるので、はみ出たら水で溶かしつつ拭き取ります。
ネジは作ってみるまで都合の良いサイズが分からないので、長めのやつを買っておいて写真のようなワイヤーカッターで切ります。結構腕が疲れるので大量にあるならギリギリのサイズを買ったほうが良いです。
私はパーツ作成作業は外注していますが、一発で希望の物が出来ることはまず無く、設計ミスや思ってたんと違ったような事があるので、何度も修正して発注します。今回は三度目で成功でした。設計ミスがあった場合、正しい設計の確認のためにノコやハンドドリルも使います。
写真ではわかりづらいですが、真ん中が成功、横の試作機は何か問題があります。木製半加算器 2017、出来上がり!
半加算器とは何ぞやについては過去に書きました。id:propella:20091202:p1