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とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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かわうそ兄弟東京めぐり

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その夜はかわうそ兄弟商會さんのオフィスにお世話になりました。閑静な住宅街にあって図書館も近い非常に羨ましいロケーション。そこの管理人を務める横川さんに宿を提供して頂いたのでした。本棚には沢山の面白い本が置いてあって大変楽しい夜でした。

翌日は阿部さんも含めて東京観光。明治大学博物館でギロチンの鑑賞等をした後ぶらぶら散策する予定でした。が!

博物館を出ようとした瞬間、謎の老紳士に声をかけられ結局ほぼ一日博物館で過ごす事になりました。その紳士は黒曜石の矢尻の専門家らしく、黒曜石がどこで採れどのように日本各地に伝わったか克明に解説して下さいました。もしかして、ここの先生なのかな?と思ったら、なんと会社を定年退職した後ボランティアで考古学の研究をされている方でした。なにやらこの博物館は毎日日替わりでこのようなボランティアの解説員がいらっしゃるそうです。

この紳士によると、日本全国で黒曜石の矢尻が発見されているが産地は限られている。黒曜石の成分は火山によって微妙に違うので、正確に産地を特定する事が出来て、そこから産地と発掘現場の間の物流関係を解明する事が出来るのだ!という事を力説されました。

それではもう一度実際に縄文コーナーに言ってみようという話になって、更に詳しく展示物を観察すると、単に黒曜石単体をナイフにするだけではなく、複数の小さな刃を木芯に取り付ける事により、しなやかさと剛性を両立し、欠けた刃を取り替える事の出来る縄文のディスポーザルナイフについて熱く語られました。また、刃を作る際に石を割る方向の違いにより、日本の北部と南部で明確な違いがあり、おなじ縄文でも文化的な違いがあったらしいです。

それから弥生まで行く勢いだったのですが、このペースでは到底今日中に新幹線に乗って大阪に帰れなさそうなので残念ながらそこで失礼しました。私もリタイアしたらこのような研究をしたいものだと羨ましく思いました。

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