言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

答案用紙

実家の部屋の畳を張り替えるのに、大量の僕の荷物を片付けなさいと言われてしぶしぶ掃除していると、高校時代の答案用紙がたくさん出てきた。ペラペラとめくると、どれも40点とか50点とかたいそう立派な成績だ。中にはゴダールとかニュートンの似顔絵を描いてある答案用紙があった。当時の物理の先生は、勉強が出来なくても偉人の似顔絵や作文を書けば点数をくれたのだ。だからこれは単なる落書きではなく、ちゃんと練習して暗記して描いたのだ。

特に国語が駄目で、要領の悪いことに何度も赤点(落第)の危機を迎えた。それでも最初は大学に行く気も無くてのんびりしていたが、美大を受ける事になり突如問題は深刻になった(美大も一応学科がある)。当時本すらろくに読めなかったので、図書館で「ずっこけ三人組」を借りた。高校生が!大人向けの本は難しすぎて読めなかった。今でも本を読むのは遅い。

答案用紙と一緒に、「ずっこけ三人組」に影響されて書いた自作の小説が出てきた。酷い出来だったが、それほど「ずっこけ」には感動させられた。高校生が!さて、とにかく、この恥ずべき答案用紙をどう処分すべきか悩んだが、ここまで生き延びてきた物を一時の感情で何かするのは気が引けて、そのまま、見なかったことにして奥へしまった。