言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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Kindle 到着

待ちに待ってた Kindle が、金曜日の夜ようやく到着し、それから週末食べて寝る以外はずーっと Kindle しっぱなしでした。トイレの中でも Kindle です。長時間こんなに夢中になったのはドラクエVIII 以来です。丁度 iPad が発表された直後の微妙なタイミングだったので、もしかしてハズレな買い物だったらどうしよう!と思っていたのですが、全然杞憂でした。Kindle は一部の人にとっては滅茶苦茶素晴らしいマシンだという事がわかりました。

一方で、Kindle はかなり使い手を選ぶ機器かもしれません。もしも私の読書スタイルをみて、「おまえは俺か!」と共感出来る方がいらっしゃったら迷わず買うべきです。私は幸い Kindle の想定ユーザにきっかりはまっていたみたいです。

  • 寝転がったり立ったりして本を読む。
  • 文字主体の本でも満足出来る。小説を読むのが趣味。
  • 速読はしない。ページをぱらぱらめくらない。
  • 重い本が苦手。
  • でかい新聞も苦手。
  • 本を片付けるのが苦手
  • 旅行に行くのにどの本を持って行くか決めかねて読みもしない本を沢山持って来てしまう。
  • 英語、または英英辞書に抵抗が無い。

特に最後の英語だけハードルが高いと思います。これは日本語対応を願うしか無いですが、英語の勉強をしたい人にとっては逆に良いかもしれません。なんとか英英辞書が使えるレベルの人にとっては Kindle は夢のような機械です。カーソルを動かすだけで勝手に辞書を引いてくれるので、「私にも読めるぞ!」という感覚が味わえます。例えて言うと、初めて自転車に乗れた時のように、自分の自由度が上がるのが実感出来ます。

まーパソコン上で google ツールバーとか、バビロンとかで画面上の意味を拾うのと理屈は同じなのですが、どういうわけか Kindle の方が全然調子良く読めます。たぶんそれは目の疲れない e-ink の魔術のせいだと思います。今まで英語の文章を読むときは「よっこらしょ、さあ今から読むか!」という感じだったのですが、Kindle があるとスーイ、スーイ、と読めてしまいます。

これから発売される iPadKindle の一番の違いは e-ink かどうかになるでしょう。e-ink を抜きにしては、Kindle は滅茶苦茶しょぼいマシンです。動作は遅いし、入力は貧弱でどうしようもないです。ただ、読書の事だけを考えると、遅くてもへぼくても e-ink と軽さを追求している正解だと思います。

しかし、e-ink の素晴らしさを理屈で説明するのは難しいです。表示の美しさだけで言うと、カラーで速い液晶の方が絶対良いです。でも液晶の光が脳をがんがん強く刺激する一方で、e-ink の文字は脳に優しくじんわり染み渡る感じがするのです。本質的に e-ink の画面をパソコンの画面で説明するのは不可能ですが、無駄かもと思いつつ写真で比較してみます。

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まず、e-ink の画面は新聞と非常によく似ています。新聞みたいな見た目の物が動くのは感動です。

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同じ New York Times の記事をパソコンと Kindle で見た所。

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ふと、OLPC-XO と比べてみました。XO の反射モードだと、Kindle より高解像度なので相当美しいです。残念ながら明かりが足りなくて写真では真っ暗に見えますが、肉眼ではまだましです。

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OLPC-XO のカラーモードです。

というわけで、Kindle の良い点を中心に書いてみました。欠点も山ほどあるけど、なんせおもいきり割り切りのある機器なので、悪い点も可愛く見えて来てしまいます。日本語で沢山の電子ブックが読める日はまだ遠いですが、電子出版の将来が明るい事を祈ります。