月曜日の夜に、芸術とは何か?というタイトルで恥ずかしい日記を書いていたら母から珍しく電話があって、祖母が亡くなったと連絡があった。祖母は従兄弟家族と暮らしていたが、先月具合が悪くなって、その後ホスピスで入院していた。父の法事で私も帰国していたので何度か見舞いに行った。私が会ったときは相当衰弱していたが、ホスピスという所はすごいもんで、それでも痛み止めによって一晩自宅に帰る事が出来た。祖母の人生は父にも増してややこしく、タブーな気がして生前本人から聞けなかったのが残念だ。
火曜日には同僚が日本のビザを取るというので、ロサンゼルス領事館までついて行った。ビザの受付には一人しか前に並んでなくて、手続きもすぐ終わり、無茶苦茶スムーズでびっくりした。日本での住所すら聞かれなかった。
水曜日には、ケーブルを解約しようと決心した。今ケーブルには月 110 ドル払っている。このアパートはテレビの電波が弱くて、ケーブルが必須なんだけど、私が見るのはアニメか SF ドラマばっかりなので、Netflix というので十分だ。これに Roku という専用再生装置を繋げれば、ネットだけで映画やドラマが見放題らしい。家のネットをケーブルから DSL に変更する手続きをした。
木曜日に、日本人のランニングクラブに入る事にした。ふと他の日本人がアメリカでどんな生活をしているのか知りたくなった。
金曜日には DSL のモデムが来たが、ネットが開通するのは月末まで待たなくては行けない。
土曜日に散髪に行った。
日曜日にランニングクラブに行って、グリフィスパークを 9 キロ程走った。それから図書館に行って聖書を読んでいた。
知人が以前 Historical Jesus というオーディオブックをくれて、それは何かというと、聖書に書いてある事を歴史的に研究するというジャンルだ。偉人でおなじみシュバイツァー博士が始めたらしい。例えばイエスの生誕地ひとつとっても四つの福音書のそれぞれで書いてある事が微妙に違う。
マタイ福音書ではベツレヘムで生まれてナザレに引っ越した事になっているが、他のやつではナザレ出身としか書いていない。ここをどう判断するかというと、ナザレという地名は新約聖書以前には現れないマイナーな地名で、イエスの生誕地としては地味すぎる。しかしそれでもわざわざナザレという地名を挙げている事を考えると、イエスがナザレ出身な事は確実だけど、マタイは箔を付けるためにベツレヘムの伝説を追加したのだろう。とこんな具合に判断する。
他にも、聖書以外の福音書にはイエスに双子の兄弟が書いたと言われている物や、多神教のキリスト教バージョンなど様々な面白い物があって、そう言った資料を元に歴史を構築して行く、という話だ。しかしもとネタを知らないと面白さ半減なので、英語の勉強を兼ねて聖書を読む事にしたのだ。
しかし問題は、聖書の英語翻訳が沢山あるという事だ。よく映画や小説で参照されている物はキング・ジェームズ版(KJV) と言って、雰囲気は一番あるのだが英語が古すぎて難しい。本棚で一番みかける中級者むけは新改訂版(NRSV)で、初心者むけなのは同時代英語版(CEV)と新国際版(NIV) がある。色々読み比べて、ストーリーを CEV と NIV で追いかけつつ KJV をたまに参照する事にした。英語は CEV が圧倒的に簡単だけど、Kindle 版の NIV はクロス参照がよく出来ていて、預言の場所に簡単にジャンプ出来るのが素晴らしい。