今朝の議論をまとめます。Squeak EToys は子供でも簡単にプログラムが組めるようになる事を意図していますが、実際のワークショップでは様々な問題が発生します。特に阿部さんの意見として、小学校四年生が EToys を利用するに際して起こりうる問題点が出されました。
操作と画面に関する問題
- タイルの数値を操作する際の三角ボタンが小さすぎてカーソルを合わせられない。
- 特にマウスの大きさは四年生には大きすぎるので、細かい調整が出来ない。大人が手のひらだけでマウスを操作する感覚に似ている。
- テストタイル(条件式)をビューワから取り出せるようにして欲しい。
- タイルのうち、テストタイルを取り出す位置だけが他のタイルと異なる為、分かりにくい。
- ビューワにスクロールバーが必要
- 四年生にはビューワにカテゴリを追加したり、選択したりという操作が理解出来ない。カテゴリによって選択するのではなく、全体をスクロールさせるべき。
- タイルやスクリプタをドラッグする位置を明確に。
- タイルやスクリプタのドラッグ領域が分かりにくく、しかも小さい。一方でテストタイルのドラッグ領域は大きすぎるので、しばしばテストタイルだけがバラバラになる。
- ビューワのカテゴリを切り替えたときに、横幅が変化するのが見苦しい。
- スクリプタをビューワにドラッグすると、スクリプタが隠されるべき。
- 間違って作られたスクリプタを、四年生は無意識にビューワに戻そうとする為。
- オブジェクトを画面の外にドラッグしたときの動作。
- 画面の外にドラッグした場合、強制的にオブジェクトは元の位置に戻る。
- マウスカーソルではなく、オブジェクトの位置で内外判定するべき。
- オブジェクトが一部でも画面に残っていたら何もしなくても良い。
- オブジェクトが完全にはみ出たときに、画面の枠近くに戻すようにするべき。
- 画面の外にドラッグした場合、強制的にオブジェクトは元の位置に戻る。
- ゴミ箱にオブジェクトを入れる事が出来ない。
- マウスではなく、オブジェクトの位置で判定するべき。
カリキュラムに関する問題
標準的なカリキュラムとして「道に沿って進む車」の例題が使われる。しかし、実際のワークショップでは、四年生の段階では例題を真似るだけで例題に含まれる概念を理解する事が出来ない。単なる真似ではなく、理解し、応用できるようになるまでには、必要な概念の理解度について確認しなければならない。他の例を作成し、理解度を測りながら進める必要がある。「道に沿って進む車」に必要な概念は以下の通り。また、フィードバックについては四年生の段階で理解させる事は出来ない。
- 必要な概念
- 正負の数を使って進行方向の角度を表す。
- 条件式
- フィードバック
- 他の例題
- 二本の棒の間をボールが跳ね返るようにする。
- 池から魚がはみ出ないように泳ぐ