言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

えんやーこらやっさ

NHK なんかで昔のドキュメンタリーの再放送がたまにあるでしょ。雪国に鉄道を引くとか、漁師の一日とか、山村の小学生とか。ああいう番組すごい好きだ。特に歌を歌いながら働くおじさんのシーンがすごく良い。男たちが左右からつるはしを振り下ろしながら、えーんやこーらと掛け声みたいな歌みたいな意味不明の声を発している。

働く声の良さって、その分野の労働文化が成熟している証拠なんだと思う。電車のアナウンスや、ガソリンスタンドのオーライの掛け声、デパートの女性店員のいらっしゃいませ、なんて今でも面白いね。ああいう声って、誰とも無く労働者の魂から自発的に出てくるリズムがあり、誰が考えたわけでも無いのに妙に魅力的だ。逆にマクドナルドの「お持ち帰りですか?」が未だに気持ち悪いのは、そのリズム感の無さだろう。文化の成熟には長い時間がかかるから、アルバイト主体の組織が文化を生むのは難しい。

コンピュータ業界でも歌が欠落している。これもこの業界の未熟さを現しているように思える。もしかして、伝統的な肉体労働が歌とともにあった事から、歌が無いのは崇高な知的労働の証拠だって言う人もいるかも知れない。そうかな。最大の知的労働者群であった僧侶は歌を持っているじゃないか。僕らがコンピュータ技術者を、本物の職業だと言えるためには、いつか労働の歌が自発的に現れるのを待たなくてはいけないだろう。

追記

こんなの投稿されてました。もしかして、俺の日記、読まれてる?マードゥルヴュぅう!
http://lists.squeakfoundation.org/pipermail/squeak-dev/2006-July/106213.html