日本からバンガロールへの直行便は無く、今回香港経由で四時間半と五時間半飛行機を乗り継いでようやく辿り着いた。空港は大変近代的で、成田第二ターミナルのあまりにも寂れた雰囲気と比べてとても賑やかな印象だ。
空港から一時間ほど車で市街地へ。市街地に入るとアジア特有の車線も信号も無視な無茶苦茶な運転で前から横から行き交うすり抜けながらホテルへ向かう。『地球の歩き方』には「町はいたって整然としていて、まったくインドらしくない」と書いてあるが全く嘘。整然となんてしていない。
街も人もバラバラで、妙に格式張ったホテルを一歩出ると外はクラクションの喧騒が鳴り止まないカオスな世界。車とバスとオートリキシャーとバイクと馬車と羊飼いとノラ牛と犬ががごちゃごちゃになって行き交う周りを屋台と高層ビルが取り囲んでいる。歩行者も犬も堂々と歩く高架道路から下を眺めると文字通り屋上屋を重ねるようにして有機的に育った住宅のあちらこちらで洗濯物がはためき、その根本では屋台のテントの下で夢に出そうな熱気と共に人々が蠢いている。
今回はインド行きは仕事だったんだけど、取引先のオフィスも凄い所だった。草木が生い茂り牛があちこちでのんびりしているようなど田舎の道をちょっと曲がると警備員が立っていて、中はいきなり広い道路と開けた空、そして堂々としたハイテクビル群が立ち並ぶシリコンバレーのようなオフィス街になっていてこれまたびっくりした。オフィスの中身もまるで大学のキャンパスのようで、東京のせせこましい雑居ビルに通っている者としては大変羨ましく思いました。
昔インドネシアやタイに旅行に行ったことがあったのでこういうインドの雰囲気はわりと親しみがあったんだけど、バンガロールの場合はアジア的なごちゃごちゃ感と都会の近代高層ビル群とシリコンバレー的な郊外の広々としたオフィスが全部混ざっていて、時間と空間がネジ曲がった感じが面白かった。
二日しか現地にいなかった割に色々観光も行ったんだけど、長くなるので省略。
