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とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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「あんまの達人」: 太鼓の達人コントローラーと YAMAZEN マッサージ器 TOLTON を連動させる。

今までのあらすじ

太鼓の達人コントローラーをバチで叩くと TOLTON が肩を叩いてくれる機械を作っています。

  • TOLTON の Q5 Q7 (トランジスタ) に繋がっている線と 100V 黒線をショートするとモーターが動作する事が分かりました。
  • 太鼓のコントローラのセンサー入力を使って LED を光らせる事に成功しました。

理屈ではこの二つを組み合わせると太鼓の達人コントローラーからの入力で TOLTON を駆動する事が出来るはずです。果たして上手く行くでしょうか。。。?

太鼓の達人コントローラーと TOLTON の接続

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今まではブレッドボードで作業していましたが、もうこれで動くだろうという自信が付いたのでユニバーサル基板に移して完成に向けて頑張りたいと思います。ノートに Arduino のプロトシールドの大体のレイアウトを描いて、ジャンパ線、抵抗、フォトカプラなどを配置します。

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線が沢山あるのでどうやって接続しようか悩みましたが、プリント基板コネクタというのを使いました。本来は圧着ペンチというのでカシメるらしいですが、無かったので無理やりハンダ付けしました。とても大変だったので圧着ペンチを買った方が良いです。

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今回一点だけ心配だったのが、どうも TOLTON に信号を与えるタイミングに依っては叩く強さが弱くなる事です。これはもしかして交流の位相と関係があるのでは無いかと思い、位相を微調整するために可変抵抗を仕込んで置きました。

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作戦は、Arduino のタイマを使い、50Hz に合うように丁度良いタイミングで信号を発生させる事です。もちろん交流のタイミング等わからないので、後から可変抵抗で位相を調整出来るようにしました。

結果は。。。。惨敗でした。。。。

全くまともに動かない。もしかして Arduino のタイマで 50Hz を測っても全然信用ならないのでは無いか???

デバッグ

以下デバッグの作戦です。

  • まず、太鼓の達人のセンサが確実に動作しているかどうかを確認するために、センサに反応した時に LED が光るようにしました。これでセンサ部の問題である可能性は無くなりました。
  • 次に、センサの入力では無く、一秒間に二回定期的にマッサージ器を駆動するように変更しました。マッサージ器が上手く動かないタイミングを正確に見る事が出来ます。

結果は、マッサージ器が上手く動くタイミングと上手く動かないタイミングはなんとなく周期的になっているようでした。これで交流のタイミングの問題に間違いないと確信を持ちました。

TOLTON 信号タイミングの調査

今まで 100V 交流電源の調査には直接コンセントをオシロスコープに突っ込んでいましたが、このオシロスコープは 100V を測るように出来ていないらしくどうも上手く行きませんでした。そこでネットを調べるとトランスという物を使うと良いらしいと分かりました。トランスによって、100V 交流を低い電圧の交流に変換する事が出来ます。私が購入したのは 500 円程度の小さなトランスで、100V を 5V に変換出来ると書いてありました。

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念のためトランスで変換する前と後を調べると変換後の方がちょっと位相が進んでいるような感じなのですが、大体の振る舞いを調べるのには充分です。

早速トランスで変換した交流信号とマッサージの出力信号を比較してみると、ちゃんとタイミングは一致していて、更に強弱と位相に関係がある事が分かりました。

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左が弱の場合、右が強の場合です。これによると、弱の時はちょっと電圧が下がりかけたタイミングでモータ出力信号を発生している事が分かります。

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さらなる疑問は、一体どうやって 100V の位相と信号を同期しているかという事です。このような制御はマイコンで行っているに決まっています。そこでマイコンに繋がっている線を一つ一つ調べると、マイコンと P781 と書かれた素子を結ぶ線が、丁度 100V と同じタイミングで ON/OFF を繰り返している事が分かりました!写真は「強」の場合の P781 と Q7 (マッサージ信号) の波形ですが、

  • P781 が OFF になった 2.5ms 後にパルスを発生させると「強」の強さになる。
  • P781 が OFF になった 5.0ms 後にパルスを発生させると「弱」の強さになる。

という事が分かりました。2.5ms の違いで強さが全然変わるとは、なかなか微妙な物です。P781 周辺の回路は以下のようになっていて、電源に抵抗とダイオードを繋げた物によってスイッチしているので、P781 はフォトカプラか何かじゃ無いかと思います。

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さて、この結果を踏まえてちゃんと交流電源に同期した出力を送信しないと動かない事が判明しました。
今回のグッドニュースは、マッサージ器の強弱調整のしくみが分かったこと。バッドニュースは、今まで作った回路が作り直しになった事です。ちゃんと P781 信号を受け取ってタイミングを合わせないと行けません。明日秋葉原に行って材料を買って来なくては。間に合うのだろうか。。。