言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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アーチ

今日もスタートレックを見る。データが仮想空間の中で19世紀のホームズになって、遊んでいるうちにコンピュータの作り出した架空のモリアーテイ教授が自我を持ってしまってエンタープライズ号を乗っ取ってしまう話だ。日本でも見た記憶があるが、英語で観るとデータがちゃんとイギリス英語を喋っていたり、細かい所が凝っているのがわかって面白い。

モリアーテイは街路を散策していて、偶然データ扮するホームズが「アーチ」という言葉でコンピュータを呼び出すのを目撃してしまう。そして、自分が人工的に作り出された幻像である事を理解してしまうのだ。

モリアーテイがコンピュータを呼び出す時に利用する単語「アーチ」。日常語のなかで、この単語だけが特別な意味を持つ。このような記号を、僕たちはメタと呼ぶ。メタはコンピュータの中で非常に重要な概念だ。画像、音楽、映像、どんな映像もそれだけでは単なる記号の羅列で意味を持たない。そこにメタ、例えば、HTML のタグ、プログラム、ネットワークプロトコルなどが入り込む事によってコンピュータならではの色んな事が出来る。

メタはコンピュータの登場によって簡単に意識出来るようになったけど、これは元々人間の知性の機能だろう。わたし、他者、神などの特別な単語を使いすぎて、ついついモリアーテイ教授のようなメタ世界に迷い込んでしまう人も中には居るのかな。