9月29日に六本木ヒルズのグリー株式会社で Smalltalk のイベントがありました。私も Tamacola を使ってその場で Smalltalk の文法を作るという発表をしました。資料をアップしたので以下にリンクします。
http://languagegame.org/pub/tamacola-st/Roppongi.html
さて、これがなかなか素晴らしいイベントでした。私は六本木ヒルズにある会社に行くのが初めてで、改札口を通って会社に入るという事自体が面白く、グリー株式会社のオフィスも宇宙船みたいなすごい所でした。
会場に入るとピザとビールが用意されており、大変暖かい雰囲気で吉田さんによるチュートリアルが始まりました。吉田さんは、本を読んでもなかなか分かりづらい開発環境の使い方をメインに丁寧に解説されていました。その合間にも代入シンボルについてなど、「すごい Smalltalker」たちによる容赦ない突っ込みがあり、楽しく進行しました。Monticello の解説では逆にベテラン Smalltalker を怖じ気づかせたかも知れません。
梅澤さんは Seaside のデモを中心にダイナミックなウェブ開発環境としての Squeak を紹介されました。特に数あてゲームという、ちょっと Web アプリとして実装するにはややこしく、しかも昔の BASIC 入門などでは定番なテーマをさくっと短いコードにまとめあげ、Squeak のデバッガとウェブブラウザを行ったり来たりしながらライブにプログラムを変更して行く様子は Seaside の特徴を生かした素晴らしいデモでした。また、様々な Smalltalk の応用事例等も紹介され、意外と多くの場所で使われている Smalltalk の一面を垣間みる事が出来ました。
続いてシンコムシステムズジャパン株式会社さん(お名前失念しました)より、商用 Smalltalk 処理系である VisualWorks の開発スケジュールの紹介がありました。今後無料の非商用版にも力を入れられるとの話でした。
後半になって我々の出番です。私は Tamacola で 20 分で Smalltalk を作るデモ、大島さんは Tamacola で作った Ruby と、他に VPRI のメインプロジェクトである DynaBook JR で動的に GUI ウィジェットを編集したり、フォントを変更してしまうようなデモをしました。特に Ruby の紹介で、こんなに優先順位が 17 段階もあるような言語は複雑すぎる、と思う人も世の中にはいるかもしれない。というような事を言うと、何か会場が不穏な空気に包まれました。
宮崎さんは Squeak をリアルタイム処理に拡張し、音楽処理に活用するアイデアについて発表されました。ここでも会場から既存のプロジェクトへの言及や議論が沢山出ました。
横川さんは多摩美で作られている Zuzzie という写真を使ってコラボレーションをする仕組みを紹介されました。一見普通のアプリをハロを使ってバラバラにして EToys の要素を追加するようなデモをされました。
ここで登場したのが大島さんの煽りを受けて登場したあんどうさんの Objective-Ruby でした。http://d.hatena.ne.jp/technohippy/20100114#1263492548 あんどうさんは、「Rubyのような複雑な言語を使いこなす我々には、SmalltalkをRubyで作ることくらい容易いことなんですよ」(RT @kaminami) と豪語しつつ Ruby で作った Smalltalk を紹介されました。
会場が熱くなった所で、阿部さんによる EToys ライブデモがありました。定番教材であるドライブアカーは EToys 自体を学ぶための教材であって、それ自体が目的では無いのではという疑問から始まり、作品を作る事から学ぶ例として、何度も跳ね返った前と後の角度を比べる事で、観察を通して跳ね返りに必要なアルゴリズムを子供自身が考える方法 http://togetter.com/li/52432 が紹介されました。
というわけで、盛り上がりに盛り上がった所で終電のお時間になってしまい大変名残惜しい閉会でした。主催者の梅澤さん、会場を提供して下さった id:tsuyoshikawa さん有り難うございました。会の雰囲気は http://togetter.com/li/54958 で垣間みる事が出来ます。