言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

阿部さんの訪問

先週末からロサンゼルスに訪問されていた阿部さんが、今朝日本に発たれました。四月になれば大学も始まり、忙しくなるのではとの配慮から、大島さんの発案で急遽渡米が決まったのでした。突然の事でしたので、折角の阿部さんの貴重な時間を有意義に過ごす事が出来なかったのではとちょっぴり悔やむ気持ちもあるのですが、大変楽しい時間を過ごす事が出来ました。

特にオフィスへの車内や自宅で、eToys の行く末や OLPC について色々議論しました。阿部さんは誰よりも eToys について深く理解されているので、それだけ現状についての強い危機感が伝わって来ました。特に、何もしなくて良いからとにかく10倍速い eToys が欲しい!という意見はとても理解出来ます。私達はあちこちで Microsoft を批判しつつ、結局同じ道を歩んでしまっているのです。

現在面白い状況なのは、eToys が Scratch という「ありえたかも知れないもう一つの未来」のような兄弟プロジェクトを持っている事です。阿部さんは Scratch の開発にも深く関わってくるので、最新状況をご存知なのですが、特に、Scratch が近年機能追加を全くせず、むしろ省略する方向で使い勝手に注力しているのは大変参考になります。強いリーダーシップのある組織でないとなかなか出来ない事だなあと思います。

一方で、かなりの数の子供達が、それでも Scratch より eToys を選ぶ事もあるという話を聞いたり。Scratch では実現し得ない eToys らしいプロジェクトのアイデアを聞くと、もしかして阿部さんの理想を実現するための完全なブランチを作ってしまった方が良いのではと思います。俺 Squeak (俺イメージ)というのは Smalltalk の伝統だと聞いています。阿部さんは後ろ向きなので、私が作るとしたらこうするというのを今度また書きます。