言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

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屠殺とオープンソース

僕はソフトウェアの利用者から直接お金を受け取る事に強い抵抗があります。ソフトウェアを作る事は理想を実現する為のボランティア精神に基づいた聖的な事なので、大体オープンソースにしています。そこから直接利益を得るなんて汚らわしいのです。たぶん同じように思ってる人は沢山いると思います。

だけどオープンソースというのはソースコードについての用語であり、金銭についてどうこう言う物ではありません。だからお金を受け取る事の気持ち悪さはオープンソースの精神とは関係ないと言えます。お金を受け取る気持ち悪さは、むしろ屠殺の気持ち悪さと似ています。

要するにお金を受け取らないソフトウェア作者というのは、釣りに行って魚を逃がした帰りに寿司屋に行く感覚なのです。

私達の社会は分業化が進んでいるので、直接牛を殺さなくても牛肉を食べる事が出来ます。直接牛を殺す経験が無いので、生物を殺す事によって起こる感情を感じずにすみ、屠殺を忌むべきものとみなす事によって逆に自分を何か綺麗な存在だと思うことが出来ます。ソフトウェアも同じ事です。

ソフトウェアも分業化が進んでいるので、プログラマは自分で金銭のやり取りをしなくても、社長がお金をくれます。お金を直接貰う経験が無いので、取引によって起こる感情を感じずにすみ、営業マンを忌むべきとみなす事によって逆に自分を何か綺麗な存在だと思うことが出来ます。

屠殺や金銭がなぜ忌むべき物なのかに関しては、面白い話が色々あったと思うのですが忘れたので思い出したら書きます。