
不登校の双子とお菓子を作り始めたのはちょうど昨年の今頃のことだ。最初のうちはイキイキと作っていたが飽きたのと病状悪化で長女の方は参加してくれなくなった。それが昨日たまたま長女と二人きりになる事があったので試しにケーキ作りを提案してみたら、気が向いたのか参加してくれた。
今回は「黄桃ケーキのキャラメルがけ」というのに挑戦。前は粉を量るのもほとんど私で目盛りだけ子供に見てもらっていたが、いつの間にか自分で袋を持って量れるようになっていた。テーブルの上は粉だらけだけど気にしない。混ぜるのは前から得意だし、今回はオーブンの操作やトッピングのキャラメルも全部やってもらった。
お菓子作りの楽しさは、味見のちょっとした特別感や、混ぜる時の粘土遊びのような触感などいろんなところにある。今回の長女の食べる時の喜びようは最高だった。今までよりも自分で最後までやった感が増えたからだろうか、これは自分が作った、あれは自分が作ったと、うるさいほど妻と次女に自慢していた。なかなか自慢できる事の少ない長女にとって、良い思い出ができた。
最近長女は「ドラえもん」を読むようになった。2023 年のクリスマスにあげた物だ。僕が子供の頃一番嬉しかったプレゼントが「ドラえもん」全巻だったので、自分の子供にも同じ事をしようと思って、「大長編ドラえもん」全巻(ただし藤子F不二雄作のみ)を与えた。が、当時双子は全然読んでくれなかった。長女は頻尿、次女は不登校なりたてで漫画も読めない荒れ具合だった。それが二年経ってやっと読めるようになった。
僕自身は「漫画ばっかり読んで!」と怒られて育った世代なので、漫画も読めない程の苦しみがあるなんて想像できない。自分の子供はそれほどまでに辛い日々を送ってきたのだ。それがようやく「ドラえもん」を読める程度に元気になった。昼食を食べながら、「塩はどうやって取れるのか」「海苔は何からできるのか」という話をした。ここ数年そんな話をした事は無かった。不登校になる前の長女は、虫や自然や不思議な事が大好きな聡明な子供だったのに、2022年9月の怪我とそれに続く不登校が全てを奪ってしまった。YouTube を観て苦しみを耐える事しかできなかった。申し訳なさで一杯だが過去は取り戻せない。これから少しずつでも長女の良さを取り戻していけますように。