言語ゲーム

とあるエンジニアが嘘ばかり書く日記

Twitter: @propella

生後 908 日 春の雨

随分日記をサボってしまった。

長女が初恋をした。お相手は「千と千尋の神隠し」に出てくる「ハク様」だ。一時は「ハク」「ハク」とずーっとつぶやき続けて大変だった。今でも風呂から上がるとバスタオルを龍に見立ててまたがり、「ハクに乗ってんの!」と言って遊ぶ。

次女はおもてなしが出来るようになった。食べ物を勧めてくれたり、長女が物を欲しがって癇癪を起こすとなだめてくれる。これは二歳にしては驚異的だ。頼もしくもあるが、同時にあまりにも我の強い長女との衝突を避けるための処世術を覚えてしまったのでは無いかと思うと不憫になる。どちらかと言うと次女の方が精神的な成長は早いようだが、遊びなんかは大体長女が考えて次女が真似をするというパターンが多い。

二人共顔を描けるようになった。ちゃんと輪郭と目鼻口のある形を描く。僕が大学生の頃は子供の描く絵が大好きで、わざわざ子供と接点のあるボランティアに行って子供の絵を収集したものだが、不思議な事に自分の子供の描く絵を見てもさほど感動は無かった。床や壁に描かないかとか、喧嘩しないかとか、鉛筆が無くならないかとか、勿体無いことにそういうしょうもない注意で頭が一杯になってしまう。余裕のある親になりたいと反省する。

ひな祭りは盛大に祝った。三週連続で妻の友人や親戚を呼んで自宅で飲み会をした。完全に大人の会で子供たちの事はオマケになっちゃったが、出産以来長く調子の悪かった妻がようやく家でパーティを開く気分になるほど回復してきて良かった。

四月から保育園のような所に行かせる事になった。保育園のような立派な建物では無く、普通のアパートの一室で細々と経営している託児所だ。どっちかというと「保育ママ」に近い形だ。保育園と違って二時で終わりなので、ここに預けて仕事に行くというのは難しい。そういう条件だからか、これだけ保育園に入れるのが難しいご時世でも簡単に入る事が出来た。その施設は手作り感あふれすぎていて正直滅茶苦茶怪しい雰囲気なのだが、保育園に落ちて絶望的な我々には非常にありがたいオルタナティブだ。

たまには仕事の事も書く。春から研究開発をやることになった。入社以来ずっと顧客担当だったが、初めてお客さんのいない仕事をする。自分で言うのも何だが、僕は客相手が上手かった。ただあまり向いてない。メンタルをやられて薬を飲む羽目になった。そんなある日、今は辞めた同僚の K さんに、「もっとわがままになった方が良い」と言われた。そんなに簡単にはわがままになれなかったが、虎視眈々と機会を覗い、ようやく巡ってきた。長い間ろくにコードを書いてないので心配だけど、今はコードが書けて嬉しい。