もう二ヶ月も前の話になりますが、安田さんがロサンゼルスにおみえになった際に、ひょんな事から The Museum of Jurassic Technology という博物館を見学しました。これはうちから 10 マイルほど南にある私設の博物館で、博物館と言っても私たちの博物館のイメージからほど遠く 18 世紀の好事家風なコレクション、人に生えた角、キノコに心を奪われた蟻、顕微鏡で鑑賞する彫刻などなどを集めたとても奇妙な場所です。そもそもジュラ紀の技術博物館という名称からして意味不明です。日本で言うと東洋民俗博物館みたいな感じでしょうか。
私設博物館とはいえ中には立派な展示もあって、特にアタナシウス・キルヒャー関連の展示には圧倒されます。しかし圧倒されすぎてその日の日記には書けなかったのでした。そこで、今回リベンジという事で、常設ではなく特別展をじっくり味わうため再度訪れました。
例えばこれミクロネシアのあやとりの展示。
必要以上に恐ろしい。あやとりをやりすぎて呪われそうになった少年の話などが壁に書いてあります。
わかりずらいですが、あやとりの本の上に AVATAR もびっくりの立体映像が浮かび上がりあやとりのやり方を教えてくれます。
今回特に Shea Zellweger によるロジック・アルファベットについて取り上げます。途中からマニアックな話になるので最初に写真をいくつかあげます。
これがロジック・アルファベットのマークで、計算に使われる記号を上手く組み合わせています。
ロジック・アルファベットというのは、こういうおもちゃを使って論理を空間的に把握しやすくしようという試みです。
ロジック・アルファベットを使うと、ブール演算で使われる 16 個の演算子を視覚的に分かりやすく表現する事が出来ます。演算子には特別な文字が割り当てられていて、たとえば
- A and B = d
- not A and not B (nor) = p
- A or B= ɥ
- not A or not B (nand) = h
- xor = z
という感じです。写真で見てのとおり、否定関係にある and(d) と nand(h)、or(ɥ) と nor(p) が対称の位置にある事が分かります。この文字の選び方にはちゃんと法則があって、突き出ている点に注目します。例えば d なら右上の一点、h なら 左上、左下、右下の三点が突き出ている点です。これは、引き数の組み合わせを以下のように並べた時に true になる点を示しています。
F,T T,T F,F T,F
今日は疲れたのでここまで。気が向いたら続きを書きます。
参考
- ウィキペディアの博物館の記事: http://en.wikipedia.org/wiki/Museum_of_Jurassic_Technology
- ホームページ: http://www.mjt.org/
- ロジック・アルファベット: http://www.logic-alphabet.net/